「心理学研究」の問題

2004/9/30

「心理学研究」というのは、心理学の研究ではなく、日本心理学会が出している学術誌のことです。最近も関連ありそうなものを読んだというか、読もうとしたのですが、難しすぎてわからなかった。以前からそういう思いを持っており、そのせいか20年ほど会員やってると思いますが、ほとんど最後まで読んだ論文はない(査読はよくやるんですがね、あ、ちなみに査読の時は最後までちゃんと数回読みますよ)。

で、昨年この学会誌に論文を初めて書いてみて、その理由がわかった気がした。


とにかくページ数が足りない。だいたい原稿用紙で40枚チョイくらいしかけません。データの部分は削れないので、けっきょくイントロの部分を削ることになる。そうすると「なんでこんな研究やってるの」とか、「なんでそういう操作するの?」とか、論文にとってとても重要な部分の記述が減ることになる。なもんだから、なんだかわかんないけど実験やって、結果をきちんと処理しているな、くらいの印象しか持てないんですよね。これじゃあ読む気が起きないよね。これに加えて、リファレンスは日本語論文でも英語名を書くとか、やたらスペースを使うような要求があるわけです(で、なんで英語がいるの?)。

海外の雑誌ではそういうのは学会発表論文の場合はあるけど、Journal Paperではそんなのないですよ。とてつもなく長いのがよく載りますよね。こういう論文のイントロを読むと、その分野の動向が本当によくわかって、1つ読んでその業界がほとんどわかるほどです。それで実験はそうした動向との相対的な関係がよくわかるもので、母語じゃないけどこっちの方がすごくよくわかる。

なんとかしなくていいんですかね。もっともそういう「難しい」論文を読むのがプロだろうという話もあります。実際そうなのかもしれない。でも、やっぱ興味もてないねぇ。まあ、僕は認知科学だから、心理学はセミプロでけっこうという感じかな。


戯れ言 ]

3 件のコメント

  1. 大西 より:

    心理学系の大学院では、「心研の論文があること」が学位取得の条件になっているところもあるそうなので、「心研に通る論文を書ける」ことに適応できる人間が、『プロ』として生き残っていくんじゃないですか。

    そうなると、心研を変えなければいけないと考えない人が学会の中心メンバーになって、…

  2. 山岸 より:

    鈴木さんもそろそろ重鎮に脚つっこんでるでしょうから、自ら編集委員になって「ページ制限撤廃」案を提案してもよろしいんじゃないですか?かつて『認知科学』誌は財政難からページ制限を設けたそうですが、『心理学研究』も、会員数が少なかった頃のカネの問題でページ数制限してるんじゃないでしょうか。
    でも、現在の会員数と『心研』の発行部数(日本全国の主要大学や、それなりの研究所は買ってるんでしょ。相当な数のはず)を考えれば、ページ数制限なんて不必要な制度になってると思います。
    あるいは鈴木さんと親しい、現編集委員や日心のお歴々に働きかけるとかはどうでしょう。

  3. 鈴木宏昭 より:

    >あるいは鈴木さんと親しい、現編集委員や日心のお歴々に働きかけるとかはどうでしょう。

    では、山岸さん、よろしくお願いします;-P

    認知科学のページ数制限は現在でもかなり緩やかですが、制限をするようになったのは30ページくらいのものをお書きになった方がいて、「いくらなんでも」というようなことに由来します。