けいはんなで考える

2005/5/22

けいはんなにある国際高等研究所のプロジェクトで岩田先生が主催されている「スキルの科学」の研究会に招かれ、東大先端研の堀さんの発表(後日掲載予定)を聞くとともに、私たちのグループ(大西さん、竹葉さん)が行っている研究を発表してきた。
View image


talkの中身は、創発認知の4つの性質(生成性、冗長性、局所相互作用、開放性)をまず話した。これは人工知能学会誌の論文に基づくもので、いろいろなところで最近話している内容。

次に、最近行っている単純なブロック組み立て課題の熟達についての研究を話した。これは一人の人間に同じ組み立て作業を2500回程度行わせたときに見られる変化が何によるものなのかを明らかにするというものだ。ちなみにこの作成にはじめは20,30秒もかかっていたのが3秒を切るまでになった。最後の方のあまりに早くて、何が起きているのかを把握するには2,3回程度見たのでは分からない。そのくらい見事にtuneされたパフォーマンスが生み出された。

研究室の学生の竹葉さんがものすごーくがんばっていろんな分析をやってくれるのと、大西さんが得意の時系列解析をこれまたがんばってやってくれるので、いろんなことが分かってきた。ただ、データの量が膨大なのでどうも今までうまく整理がつかなかったのだが、今回発表の機会を提供して頂いたおかげでかなりまとまってきた。

要は、
・流暢化、マクロ化
・並列化
・環境の再構築
という3つが、(少なくとも初期の)パフォーマンスの変化を支えていると言うことだ。そしてこれら3つは相互依存関係にあって、どれかが単独で行為全体に影響を与えることは出来ないというものだ。始めの2つは行為者の内部的なものに大きく関わり、3番目のものは環境に関わる。そうした意味で内的、外的資源の協調と調整が熟達の鍵となる。

まだまだ粗い段階で、いろいろと問題を含んでいることは明らかだ。研究会においても、
・時系列的な解析の問題、
・一般性の問題(利き手とか、課題とか、人とか)
などの問題が指摘された。とても有意義な指摘で、今後なんとか、これらの問題に対処していきたい。なおこの内容は今年の認知科学会で発表予定。


コメントをどうぞ