原生生物は創発的だ

2005/5/29

駒場のシステム科学というところで特別講義というのをやってきた。話した内容は、
・創発認知の考え方
・洞察のモデル
である。よく話していることなので、頭にはだいたいの筋書きが出来ている。
ただし、今回は


池上高志さん(広域システム)も参加していて、いくつか予想外の質問をしてもらったので、刺激的なものとなった(部分もあった)。

おもしろかったのは、私が創発認知の4つの性質(生成、冗長、局所相互作用、開放)を述べた後に来た彼の質問。

そうした性質は原生生物もすべて持っている。だとすると、人間の人間らしさというのはどこにあるんだろうか

と来た。いろんなところでこの話をしているが、こういう質問を受けたのは初めてで、一瞬とまどったが、別に原生生物と同じであって何も悪いことはないと思い直し、それならそれでかまわないのではないか、みたいなことを答えた。

またこれに加えて、私は人間を扱う学問をやっているので、その仲間たちは人間みたいな知性(これもよくわかっとらんのだが)が知性であって、これをことさら価値が高いものと見なす傾向がある。こういうアプローチは基本的に嫌いで、天の邪鬼というか、脱構築というか、そういう立場で人間知性を捉えたいと俺は考えている。つまり、
それ自体取るに足らないもの同士が複雑に結びつくとともに、環境と相互作用した結果(つまり進化とか、発達とか、学習)、意味あるものとして機能する

というように考えたいわけだ。池上さんの言うように、おそらくどんな生物もこんな形の知性になっているのではないかと思う。

でも本当にこれだけでいいんだろうか。これはちゃんと考えてみなければならない。現段階の思いつきだが、意味あるものとして結びついたもの、それ自体を1つの単位として、さらに高次の組み合わせのための要素と出来ること、これは原生生物には出来ない芸当なのではないだろうか。

こうしたことは実は前に書いたものとも関係していて、谷さんとか、茂木さんとかの取り上げているのと同じことになるわけか。ふむ。

人間の場合で言うと、概念とか、言語とか、そうしたものなんだろう。あるいは、最近読んだベルンシュタインの背景化、行為A-Dの関係とも密接に関連すると思う。


1件のコメント

  1. ジコゾウ より:

    M1号:創発(+創発)

    キーワード「創発」、サブキーワード「創発」で記事を集めました。よろしく。Googleで検索、アドレス78件/ページ取得78件/RSS取得63件/記事625件/ヒ…

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