認知科学をどう教えようかな

2005/10/11

始めは「認知科学をどう教えるか」というタイトルにしたのだが、なんかこれだと偉そうに聞こえ、「こうするべきだ」というような響きがあるので、上記のようなタイトルにした。認知科学概論のような科目を持っていて、それをどんな感じで教えようかという、つまりとても私的な問題だということです。


2年前に知能の設計原理みたいなところから認知科学を教えようという、かなり根性入れた講義をやった。評判はさほど悪くはなかったのだが、難しすぎたせいか、大量の居眠りを出し、成績も芳しくなかった。ということで、昨年と今年の前期は、比較的伝統的な枠組みを使って、かなり易しい講義を行った。成績もよく、比較的みんなまじめに聞いてくれた。しかし、これだと現代くる前に10数回の講義が終わってしまうこと、また自分のもっとも得意な思考あたりのところがほんのさわり程度しかできないことが判明した。

ということでまた今期は講義内容を変えることにしよう。現在考えていることをまとめる。
キーワードはここここに書いた生物学的シフトだ。

1.認知科学におけるコンピュータメタファー
  データ:プログラム=表象:計算、
  表象の種類(いわゆる知識との違い)
2.人間の情報処理-記憶-
  記憶の多重貯蔵庫モデル、
  処理の深さ、精緻化、チャンク
3.人間の情報処理-問題解決-
  探索による問題解決
  ヒューリスティクス
  同型問題
4.認知の生成的性格-知覚、記憶-
  コンピュータメタファーの生み出す誤解
  change blindness
  虚偽記憶(ソースモニタリング、融合)
  目撃者証言
5.認知の生成的性格-類推-
  定義
  構造写像
  生成的類推(電気回路、copycat、production paradigm)
6.認知の冗長性と重奏性-推論の領域固有性-
  推論の種類
  条件文判断
  4枚カード
  確率推論(ベイズ等)
7.認知の冗長性と重奏性-認知発達
  段階論
  overlapping waves theory
  gesture-speech mismatch
  U-shape
8.認知の冗長性と重奏性-感情と認知-
  カプグラ
  身体と洞察
  somatic marker
9.認知の開放性
  ロボット(感覚-運動協応)
  外的資源を利用した問題解決(Zhang, Shirouzu)
  epistemic action
10.認知の開放性-スキルとその熟達
11.認知の開放性-インタフェース
   内的資源と外的資源
12.まとめ-洞察を用いて

まあ、こんなところでいってみよう。たぶん時間が足りなくなるだろうな。1回で書いていることでも2回程度かかりそうなのは随所にある。後はうまく調整を考えるということだろう。


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