人は変われますか→はい

2005/11/18

この間常々思っていたことを、基礎演習の帰りにゼミの人と話したのでこれをまとめてみる。

近年、せっかく激戦の中、就職戦争を何とか終え、希望か、あるいはそれに近い職場に就職したのに、すぐにやめてしまう人が多い、という話を聞く。企業の方も、新人に対して、就職後もさまざまなサポートを行うところが増えてきているという。

こうした原因は何か。


就職をあまりにシリアスに考えすぎるからでしょう。またシリアスに考えるようにまわりがし向けるからでしょう、というのが、私の答えだ。

会社の人事の人、会社の上層部の人たちでも、入社前から、あるいは入社直後から、「これは俺の天職だ」などと考えた人はほとんどいないはずだ。特に、私などの世代も含めた昔の人たちは、ある程度は自分の希望を考えるけど、それ以上は考えず、まあ採用されたわけだから、とりあえずがんばろう、くらいだったのではないか。で、いろいろやっていると、辛いこととか、やめようと思うようなこともあったけど、いいこともほどほどあって「やっぱここが一番」とか、「でもここしかないから」とか、「まあこんなとこでしょう」などと思いつつ働いている人がほとんどだろう。

これが現実であるはずなのに、入社前から何度も何度も面接を行い、学生たちに「ここしかない」という思いを繰り返し語らせたり、キャリア教育などと称して「自分はどこに行けば一番いいのか」など、ほとんど考えてもしようがないことをいろいろ考えさせたりしている。つまり暗示をかけたり、自己暗示を促したりしているわけだ。

就職活動で熱くなっているうちや入社直後、内定もらった直後はこの暗示でうまくいくけど、熱が冷めて冷静に考えれば暗示は急速さめる。そうなると、当然、自分に合っているかかどうか分からないわけだし(そんなの10年くらいやらなきゃ分からんよ)、どんどん不安になってきて、「こんなのでいいのか」という感じでやめちゃう。またこの過程で自分を「・・・な人間」というように決めつけて(これを自己分析などというらしい)しまうので、「・・・な」自分がぴったりはまるところを追いかけようとする。

こういうのはホント間違いだよ。まず自分を固定することが間違いだ。22前後の人間が本当に天職、適職だと思えるようなものなんか、どこにもないと思うよ。そんなに自分はできあがっていないし、固定してもいない。また会社なんかいろんな部署、仕事があるわけで、あるところでうまくいかないからといって、会社を辞めることはないわけだよ。現時点でピッタリこないからと言って、ある方向を断念することもないわけだよ。

人は変われるというのは、「野ブタ。をプロデュース」という番組のテーマなんだけど、ほんとそうだよ。変われます、あるいは変わってしまいます、これが人生ですね。現在の自分を固定して、すべてをその固定点から考えることをやめましょう。5-10年くらい勤めてみなさい、そのうちいいことの1,2つあるよ。そんなもんです。

それから会社の人間たちに言いたいのは

あんまりめちゃくちゃ言って若い人間を追いつめるなよ。お前たちだって、大したことなかったろう。お前たちだって、変わってきただろう。はじめで決めつけるんじゃないよ。

ってことだね。


戯れ言 ]

2 件のコメント

  1. osada より:

    ‘会社の人間たち・・・’もかなり様々でして、「追いつめるタイプ」の人もいますが、「少し視野を広げて長期的に考えられるタイプ」の人もいます。

    今までの経験上、同じ部門が長かったり、専門性を生かしてある分野に特化したことを手がけることが長かったりすると、自分でかなり気をつけないと、視野が狭くなりがちだと思います。

    ということで、私は、たとえば、ITの会社の人事や研修を担当するのであれば、その会社の第一線の技術者や、営業・SEとしての経験もあったほうが望ましいという意見を持っています。

  2. HS より:

    会社の人間というのは言い過ぎだね。ただ、あんなに何度も面接やって、何度も(嘘と知りつつ)入社意思を確認して、というのが、はびこっているのは事実だよね。そしてそういう風にコストをかけることが、結局何も報われないのではないのだろうか。

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