他者とのディスカッションは何を生み出すか

2006/9/19

犬塚さんと岩男君の企画した教育心理学会のシンポジウム「他者との対話による論理的表現力の育成」(正確ではない)に参加した。話題としては、今自分たちが進めているアカデミックスキルの獲得という話に非常に近い話だと言うことがわかった。また心理学的に分析可能な形にすることがとても難しい、非常に骨の折れる仕事に若手(?)中堅(?)の研究者が果敢に挑戦していることが分かった。


大事なことを1つ学んだ。それは他者と交流、ディスカッション、ディベートなどをしたからといって、必ずしも学習者が成長するとは限らないと言うことだ。これはある意味当たり前で、他者と話したら論理的になるという単純な図式は成り立たない。しかし、協調学習という用語が世の中を席巻する中で、こうしたごくごく当たり前のことは見落とされてきたように思う。実際に協調でうまくいく場合にはいろいろな付加的な条件が必要なのだが、協調学習の原理がやや抽象的すぎて、現実の場面に適用するときに何段もの難しい解釈が待ち受けることになる。集団での教育のような環境下においてこの難しさはより顕著になる。

岩男君の発表は、ピアとのディスカッションに加えて、レポートの書き方についての明示的な教育が必要であり、これがディスカッションとうまくかみ合うことにより、かなりの程度の向上が見られたことが報告された。こういうまとめかたはよくないかも知れないけど、世の中そう美しくはないと言うことですね。

帰りの電車の時間が迫っていたので詳しく聞くことは出来なかったが、どんなことをどんなふうに教えたのだろうか。その教えたことがどういう人にどの程度理解されていたのだろうか、そしてその理解が最終的なレポートにどの程度関係したのだろうか、ここらへんが分かると単なる効果研究を越えたおもしろい世界が広がると思う。今でも大変なのにもっと大変になっちゃうね。でもしょうがない、やるしかない。


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