並列的動作の学習

2006/10/10

大西君のところにおもしろい(というか、やろうと思っていた)実験が紹介されていた。両手で行うような作業の場合、左右の手別々にトレーニングするよりは、両手ではじめからトレーニングせよと言うことだよね。


言いたいことの半分は分かる。全体を分解して、その要素群を1つずつきっちりトレーニングすれば、結果として全体がよくできるようになるというのは、あまりに単純化された考え方だ。まあ、オレの近くにはこの学習原理でインストラクショナルデザインなるものを教える人たちもいるけどね。

こういう立場に反対したくなるのはよく分かる。ただこの報道を見ただけでは、どうもめちゃくちゃ当たり前のことをいっているような気もしないでもない。課題がよく分からないので、見当はずれかも知れないけど、テニスで両手打ちで一所懸命練習しました。その後片手打ちにしたら成績が落ちました。とか、片手打ちで一所懸命練習しました。その後両手打ちに変えたら成績が落ちました。てなことみたいな感じがする。当然だろう。

むろんそんな単純な話にならないロジックを持った論文なのだろう。オレなりに考えれば、こういうのでポイントになるのは、要素間の相互作用という問題だと思う。
要素間の相互作用が全くない場合には要素積み上げ型学習が成り立つが、そうでないケースには(そちらの方が多いと思うが)成り立たない。なぜなら要素間のコーディネーションのための微妙な調整が絡むからだ。そういうことだと思う。

この話は認知科学会で今年話したことと共通する。ある下位スキルは他の下位スキルのスピード、正確さ、さらにはそのスキルが実行される環境と密接に関連しており、一部だけを抜き出して熟達しようと思っても、逆にタイムが落ちるようなことがある。

いずれにせよ大事そうな論文だから、きっちり読んで、その先を考えてみることにしよう(しかしそんな時間あるのか?)。


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