キャリアはじわじわと

2006/11/22

今日、学部の授業を聞いている1年生から「私はまだ何をやりたいのかも決まってなくて」と言われてたまげた。むろん「1年で決まってたら大変だよ」と伝えた。自分が何をやりたいかなんて言うのは、48年生きてやっと少しずつ分かってきた、あるいは分かってきたような幻想を持つようになった、くらいの話である。

こういうのを聞くと、今の学生はかわいそうだなぁとつくづく思う。キャリアディベロップメントとか、自分探しとか、そういう変な言葉が若年層に広がり、あわてているんだろうなぁ。学生の就活なんかもそうだ。きちんとやりたいことを決めないと先に進めないというような圧迫を社会が加えるもんだから、早合点したり、浮かれたり、落ち込んだり、やらなくてもいいことに振り回されている気がしてならない。


これだけ選択肢がいろいろある社会において、また我々の時代には想像もつかないほどの大量の情報があふれる中で、かつ精神年齢の全般的低下が叫ばれている中で、20歳そこいらで何かを決めるのはとてつもなく難しい。

事前にきちんとプランを立てて、それを実行するために努力するというのは、聞こえはいいけどかなり愚かな方法だと思う。短期的なものはむろん必要だけど、生涯にわたるような長期のプランは無理だよ。AIの失敗はそこにあったわけだし、証明済みだ。

リアクティブに、その場の状況にいろいろと適応しながら、必要な情報を得るとともに、自分のプランを動的に変更していくことが大事だと思います、はい。大学生活、就活いろいろやりながら、その場その場で適切と思う選択をしていけばいいし、そういうことやりながら自分が作られていくわけだ。あらかじめ何かがきっちりとあるわけではないんですよ。気楽に、気楽に。

なんか毎年こんなことを書いているような気がする。


戯れ言 ]

1件のコメント

  1. 後藤 祐一 より:

    はじめまして、こんにちは。

    > 今日、学部の授業を聞いている1年生から
    > 「私はまだ何をやりたいのかも決まってなくて」
    > と言われてたまげた。

    私の属する学科で学科の卒業生を呼んで講演を
    していただいたのですが、そのときに参加した
    学部一年生からも上記のような質問がでました。

    「みなさんは、今の職を得るために一年生のころから
     何か心がけられていたのですか?」

    そのときに来ていただいた3名全員が一年生のときに
    今の進路に進むとは全く思いもよらなかった、その場
    にいた他の3名の教員の方々に訊いても、まさか、
    大学の教員になるとは思いもよらなかったとの答え
    でした。

    このエントリー内でおっしゃられているとおり、
    大学4年間をかけてじわじわと進路を絞り込む
    ということに賛同いたします。

    あとは、学生のみなさまにそのために可能性
    (選択肢)は最大限に保っておくということ
    を伝えられたらなぁと個人的に思っています。

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