PISA調査とOECD事務局長のコメント

2008/3/3

3月2日の朝日新聞の「学ぶ」という記事に,都留文科大学の福田教授の話が載っていてなるほどと思った.この中でとても強烈だったのはOECDの事務総長が日本の教育に対して「多くの国の労働市場からすでに消えつつある種類の仕事に適した人材育成」をしているというコメントをしたという.これほど強烈な批判はないだろうねぇ.

別に中国と競争しようというわけではないのだが,義務教育レベルの読み書き算ができる程度の能力であれば,中国には日本人の10−100分の1の給料で働く人たちがおおよそ8,9億人もいる.まともな企業であれば単純な労働の生産拠点は中国に移すに決まっている.こうなれば(もうなっているけど),日本国内では大量の失業者が出ることは必至だ.要するに今の教育やっていったら,日本人を食わせていくことができないと言うことだ.

脱線するけど,日本型の詰め込みのような教育は韓国ではもっとすごいらしい.オレの研究室に韓国の延世大学という超一流の大学からの留学生がなぜか来ていた.彼女(本当に優秀でした)の話によると,何しろ出身大学でその後がほぼ決まる社会らしく,80%以上の大学進学率だという(おそらく世界一だよね).韓国の高校は11時半まで(むろん夜のですよ),学校で勉強させるらしい.で大学生になった人たちに共通する悪夢というのがあるという.それは「自分はまだ高校生だ」という夢だそうだ.ものすごいいやな気分になり,うなされて,起きて「ああ,もう自分は大学生なんだ」と安心するらしい.

韓国はさておき,日本も何とかしないといけないわけだが,暗いネタだけではない.有名国立,私立あたりとか,一部の公立(京都など)では新しい時代に向けた学力の育成を始めている.やっていることは,つまり大学の卒業研究のようなことをだ.筑駒を卒業した1年生と話したら仰天するような研究を高校の卒論でやっている.卒業研究の早慶戦という記事でも結構すごい話が出ていた.またこうした教育の結果として大学への進学実績もあがるらしい(京都の話).


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