世界の10代

2009/5/29

NHKーBSで「世界の10代」というのをやっていた。1回めがアフリカ、2回めがパレスチナ、3回めがイラン、4回めがデンマーク(?)だった。4回めはきちんと見ていないのだけど、なかなか面白い。

1回めは、ウガンダの高校。男尊女卑がすごくて、リーダは男以外はあり得ないというところ。ここで挑戦する女子が前半の主役。後半は、セックスに関する教育を取り上げている。あまりに貧しいせいか、ノートや鉛筆を買うお金欲しさに真面目な子供が売春に走り、妊娠の結果、学校を去ることが多い地域を取り上げていた。なんとかしようと立ち上がった校長先生は正直言って、人権無視とも言えるくらい強烈に性の教育を進める。全校生徒が集まる朝礼で、「胸の大きな子は手を上げなさい」とか、そういう子供が妊娠していないかどうか医師に半ば強制的にチェックさせるとか、妊娠したら退学とか、ものすごいことをやっている。この先生が子供に言う言葉がすごい。「もし君たちが結婚したときふつうは相手は結納で牛一匹くれる。しかし君たちが処女だということを知ったら、だまっていても十匹差し出すだろう@_@;」などという。間違っている部分も多いと思うのだが、その校長はそのくらい若い女の子たちが貧困故に性犯罪の被害者になっていることをなんとかしようとしているのだ。

2回めはパレスチナ。これは打ちのめされた。ふつうに幸せを願って生きていこうとする女子高生のドキュメントだ。我が国でもおそらく多くの少女が抱くものと同じ少女らしいさまざまな夢を抱いて生活する。しかしそうした生活を根源から否定するのがイスラエルからの入植者、そしてそれを保護するために派遣されるイスラエル軍兵士たちだ。この連中のやることはものすごい。兵士がパレスチナ人を弾圧するのは予想できるのだが、さらにたちが悪いのが入植者と呼ばれる連中だ。自分たちがナチスドイツにやられた腹いせなのだろうか。幼稚園に行くかいかないかのレベルのがガキから、おばちゃんあたりまで、まあ信じがたい。

さてなんと、イスラエル兵士たちはこうした入植者たちを守るとともに、彼らがあまりに過剰なことをやらないように派遣されているという。呆れ果てた国家だと認識した次第だ。しかしこうしたことに強く抗議するイスラエル人も出演していた。ということだから、イスラエルの国家政策と、イスラエル人を同一視しないということは大事なことだ。

日本はアメリカのお友達というか、属国というか、一つの州というか、奴隷であるので、アメリカが応援するイスラエル側の情報がバランスがとれないほどたくさん入ってくる。よって自爆テロなどを行う狂気のパレスチナ人というイメージを強く持つ。またオレくらいの年の人間でもパレスチナ、連合赤軍、重信房子という連想で、やはりあそこはイカレタ人間がたちが多くいると考えがちだ。その少女も「パレスチナ人と言っただけでテロリストのように思われる」と述べているが,現実は全く違うと違うということを深く認識した次第。

3回めはイランの女子受験生の話し。これは正直,別の意味で驚いた。受験生の傲慢さというのは日本だけの話しではないという次第。確かに優秀なんだろうけど,何でもやり放題。受験のためには一家総犠牲もやむなし。へぇ,かの国でもそうなんですね。って,日本では噂くらいしか聞かないけど。ちなみにかなりびっくりしたのはイランでは女子の大学進学者がとても多いという事実だ。受験生の6割は女子だとか。女性差別で有名なサウジアラビアとか,タリバンの狂気の女子への弾圧とか,イスラムと女性の進学とは相性が悪いと思っていたけど,そうとは言い切れないわけですね。ただ,イランはシーア派であるけど,サウジはスンニー派,ここら辺も関係するのかな。


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Rational animals, irrational humans

2009/5/26

標記のような題名の本に1章を書いたが出版された。これは昨年2008年の2月に慶応大学のGlobal COE(代表:渡辺茂先生(表紙の左の人は渡辺先生に少し似ている))で国際シンポジウムを行ったときの発表者が1章ずつ書いたものをまとめたものだ。

ここで私は,洞察研究を通して,創発の4条件を検討した。複数の内的資源が中央制御を離れて,ある状況下で同時活性し,環境と相互作用することを通して,新しいパターンを作り出す,これが創発だ。

4条件とは次の通り。

  1. 生成性:人間はプログラムされたこと以上のことができる。あるいはプログラム自体を作り出すプログラムを持っている。
  2. 冗長性:人間は一つのことを行うのに複数の手段を持っている。そしてそれらは同時に活性化する。
  3. 局所相互作用:人間の行動は意識によってコントロールされているわけではない。意識は潜在的な活動の一部をモニターするだけ(これはちょっと言い過ぎか)。
  4. 開放性:人間は環境と絶えず相互作用する。その相互作用こそが創発を支えている。
ほとんどこのことを言いたいだけで(というか,こんな大変なことを言うために),ここ10年くらい生きている。よかったら読んでください。ちなみに青山の図書館には寄贈しておきます。

報道が気になる

2009/5/19

報道を見ていると本当に情けないというか,恐ろしいというか,なんとも言えない不快感がこみ上げる。先日も書いたがまた気になることがいくつか出たのでメモ代わりに書いておく。

新型インフルエンザ

これもまた前回に書いたことがそのまま当てはまり,ひたすら恐怖をあおる。煽っておいて,パニックになるなとか,おかしなことを書いている。

それにもまして気になるのが,学校の休校だ。大阪,兵庫で中,高校が全面休校になっているとか。これで先生も生徒も,困っているとか,不平がなどという報道がよくなされている。修学旅行が中止されたとか,保育園が休園で働く親が困ったとか,哀れなケースもあるが,生徒のレベルに話を限れば,喜んでいる方がはるかに多いのではないだろうか。学校が休みというのはそんなにつらいものなのだろうか。

小学生の頃おたふく風邪がはやりクラスで10人以上も休んだことがあった(当時1学級45名)。無事に学校に来ていた同級生たちの話題はいつ学級閉鎖が起きるかということだった。むろん目を輝かせて話していた。結果的に学級閉鎖にはならず,さらに(罰か)自分もおたふくにかかり,学校は行かなくて済んだのだけど・・・

まあ40年前の話なので今もそうだとは断言できないが,この間に学校がすごく楽しくなったとか(じゃあ何で不登校が激増したわけ),子供がとてもまじめになったとか(ゲームに夢中になっているんでしょ),そんな話は聞いたことがない。

あまりに一面的というか,紋切り型というか,嘘八百というか,そうした報道姿勢に強い疑問を感じる。学校は楽しくて,すばらしいところであり,みんなが毎日ニコニコしながら登校するというような,「二十四の瞳」みたいな世界であると,我々を洗脳しようとしているのだろうか。

草薙くん

これもまことに馬鹿げた大騒ぎで呆れ果てた。「そんなことしちゃだめだろう」と笑ってすませる話が,なにやら大犯罪のような扱いになる。芸能誌ならばともかく,大新聞,テレビまで大騒ぎだ。NHKでは速報のテロップまで流れた。鳩山大臣は(後に謝罪したが)「最低の人間」ときたもんだ。これを最低と呼ぶとすれば,あまりに世間知らずだ。あなたの党はもっとすごいのを生みだし続けてきたじゃないですか,と言いたくなる。

個人的には草薙くんの公然わいせつより,記者たちの軽薄さの方がよほど犯罪的だと思う。もっともこれについては,いわゆるネットで有名な「正論」以外の意見もかなり出ていたので,そこらへんはちょっと安心ですけどね。