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 苅宿俊文教授からのメッセージ
佐伯先生

苅宿 俊文教授からのメッセージ

 ワークショップデザイナー(以下WSD)は、「コミュニケーションの場づくりの専門家」です。  

 この「コミュニケーションの場づくりの専門家」とは、どんな人をさしているのでしょうか。それは、よりよい社会を築くために、いろいろな「協働」の結び目になる人です。  

 私たちが考えている「よりよい社会」とは、グローバル化、情報化などに対応できる多元的で共生することを持続していこうとしている社会です。共生する社会では、さまざまな人が互いに支え支えられることが必要になり、積極的に協働していく場面が増えていかなければなりません。

 協働する場面が増えていくためには、さまざまな組織や個人が結びついていくことに慣れていき、協働することが習慣のようになることが重要です。  

 この協働することが習慣となるために、ワークショップを活用して、その意味と仕組みを伝えていき、これから広がる協働の場面を生み出す結び目になる人がWSDです。

 私たちは、500名近いWSDのみなさん(2012.3現在)と一緒に、多元的で共生する社会を持続していこうとする社会にむけて活動していきます。今、WSDの皆さんに勧めているのが「二足のわらじ」を履くことです。

 WSDは、ほんとうにいろいろなフィールドの方がいます。受講されているときは、いろいろな価値観が対立したり、融合したりするなど、とても充実していました。

 そんなWSDの皆さんなので、フルタイムの仕事があったとしても、休日に、「会社員」という肩書きではなく、「ワークショップデザイナー」という肩書きで地域の活動に参加していただき、自分の持っている特性を生かしてもらいたいと思います。地域では、平日とは違う顔を持ってもらいたいものです。  

 また、仕事をされていてもフルタイムでない方には、アウトリーチのようにワークショップを学校現場で展開する活動に積極的に参加してもらいたいです。実際に、行政が主導する形でのアウトリーチが始まっていて、ワークショップが持っている可能性を学校の現場が納得してもらうチャンスの時期が今だと考えています。  

 最後に、WSDとしては、自分のフィールドでの活動だけで手一杯だったり、ワークショップの現場から少し遠ざかったりしておられる人たちも含め、すべてのWSDに「二足のわらじ」を履くことをお願いしています。

 それは、自分の周りの人とより親密になっていくことは、とても素晴らしいことだからです。しかし、私たちは、他方で自分と関係の薄い知らない人たちも、これから出会う協働のパートナーとしてとらえ、無関心ではいられないと考えています。

 WSDの皆さんには、この社会にいるこれから出会う協働のパートナーと一緒に活動するための、もう一つのわらじを用意していただければと願っています。

(青山学院大学社会情報学部教授)